最新作では、二丁目でゲイキャラを研究

――そんな『桐島~』のプロデューサーの企画プロデュースによる新作『MONSTERZ モンスターズ』。全体的にシリアスな作風のなか、落合さんはオネエのジュン役でコメディパートを担っていますが、この役が来たとき、どんな気持ちだったのでしょうか?

「マジですか、スゴい役来たな」と思いました(笑)。『桐島~』のとき、僕は普通に演じていたんですが、プロデューサーさんが言うには、どこかオネエっぽさが出ていたらしいです(笑)。今回はあまりにキャラが強いので、自分の中で早くキャラを固めないと台本が読めないと思いましたね。だから、事務所の方と新宿二丁目のお店に行って、喋り方や素振りなど、いろいろ学ばせてもらった。さすがに一人で行くのは怖いので……。

――主演の山田孝之さんとともに、落合さんの仲間を演じているのは『桐島~』でも共演した太賀さんです。本作後も共演作が続くようですが、落合さんにとって彼はどんな存在でしょうか?

 最初に一緒になったのがドラマの「生徒諸君!」で、そのときも『桐島~』も直接の絡みはなかったので、今回初めてちゃんと話したんです。今回の太賀の役はオタクキャラ。彼は彼なりの考え方を持っている人で、それはブレないという確信があったし、僕自身も彼を失望させたくないと思いましたね。太賀は僕の持っていないものを持っているので、年下だけど尊敬しています。ちゃんと考えて、自分の足場を確認しながら役を作っている人なんですよ。僕は集中力がないので、早くゴールを見つけたい。だから、近道を探そうとするタイプなんです。

――5月から6月にかけて、本作以外にも『闇金ウシジマくん Part2』『スイートプールサイド』『女子ーズ』と出演映画が連続で公開されますよね?

 なぜかそういう流れになってますが、僕自身、まったく余裕がないですね。いつも緊張していますし……。でも、「あの仕事やりたかった……」と後悔はしたくないので、今は全力でやっています。そして、大きい作品、小さい作品にかかわらず、どんな役でもできる人になりたい。目標のようなものはなくて、たわいもない憧れなんですけど、ゾンビ役でいいから「ウォーキング・デッド」に出たいとか、同い年のジェニファー・ローレンスに会いたいとか……(笑)。そのための一歩として、海外の映画祭に行ってみたいですね。

落合モトキ(おちあいもとき)
1990年7月11日生まれ。東京都出身。4歳の頃にスカウトされ、子役として芸能界デビュー。96年から2000年に出演した「やっぱりさんま大先生」でお茶の間の人気者となる。01年、『東京★ざんすっ(ランニング・フリー)』で映画初主演し、その後も「4TEEN」『青いうた』『ごくせん THE MOVIE』『ヒーローショー』『GANTZ』などの映画・ドラマ・舞台・CMなどで幅広く活躍している。

『MONSTERZ モンスターズ』
対象を見ることで他人を自由に操れる超能力を持つ男(藤原竜也)は、その能力ゆえに孤独と絶望の人生を歩んできた。ある日、彼は自分の能力が一切通じない田中終一(山田孝之)に出会ってしまい、彼と彼の友人であるジュン(落合モトキ)や晃(太賀)に襲いかかる。
(C) 2014「MONSTERZ」FILM PARTNERS
http://www.monsterz-movie.jp/
5月30日(金)よりロードショー

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2014.05.09(金)
文=くれい響
撮影=深野未季