ミラノを旅するグルマンには知っていてほしい。ファインダイニングも素朴な食堂も、この街が求める味は思いのほかシンプルだ。しかしそこには伝統を愛し、革新を求める街ならではの奥深き哲学と物語が秘められている。ミラノを愛さずにはいられない一皿を探しにいこう。
気鋭のシェフ兄弟が生み出す美術品のような一皿
◆Verso(ヴェルソ)
控えめなエントランスを抜けると奥行きのあるモダンな店内が広がっている。キッチンとカウンターで二分された空間に壁はなく、料理人たちの鮮やかな手仕事がダイレクトに目に映る。
イタリアのダイニングでは珍しいシェフズテーブルを採用している「ヴェルソ」は、2023年1月のオープン後わずか10か月でミシュラン2ツ星を獲得した話題店だ。
レモとマリオの兄弟シェフはイタリアで最も多くの星を持つエンリコ・バルトリーニ氏の元で12年間働き独立。「~に向かって」という店名に込めたのは食材とゲストに対する誠実さだ。
小規模生産者から直接仕入れる食材を兄弟がそれぞれの感性で磨き上げ、一皿に調和させていく。彼らが語る食材のストーリーに耳を傾け、美しい料理に舌鼓を打つ、そのひとときにはカウンター越しの距離感が心地良い。
「日本の板前と似ています。私たちの誠意を伝えたい」
昼夜問わず満席が続く若き名店の向かう未来を見届けたい。
Verso(ヴェルソ)
所在地 Piazza Duomo 21, Milano
電話番号 02 89750929
営業時間 12:30~14:00、19:30~22:00
定休日 火・水曜 ※要予約
https://www.ristoranteverso.com/
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