新刊『ごきげんな40歳になりたい』で「40歳」のさまざまな変化を綴った漫画家のおづまりこさん。20代、30代と味わってきた旅の楽しみも、40代になって変わってきたようで――? 年齢を重ねながら、これからの人生でやりたいことについてもうかがいました。
40歳だと自覚しながら、旅先で浮かれる
――第3章の「ごきげん40歳のひとり旅」は、沖縄の旅についてのエッセイで、ほかの章とは趣向が異なっているようにも感じますが、どういう意図があったのでしょう。
これまでのターニングポイントを振り返りつつ、40歳まで生きたことをきちんと受け止めたかったのだと思います。以前、ひとり旅をテーマにした本にも描いたのですが、大学時代に住んでいた京都を旅したとき、思いがけず内省的になって。学生だったから、やらかした記憶がいっぱいある場所なんですけど、改めて訪れてみたらポジティブな記憶に塗り替えられて、その場所のことも好きになれたのです。その経験があったので、思い出の場所にまた行ってみたくなって。
沖縄は20代の頃、友達と初めて旅をした地なのですが、社会人1年目で仕事はしんどいし、お金も全然なくて、行き当たりばったりの旅で。それはそれで楽しかったのですが、今行ってみたら、全然違う景色が見えてきそうな気がして。「自分は40歳なんだ」って思いながら旅をしてみたかったのです。それともうひとつ、「浮かれる」というテーマもあったので、自分はできないと決めつけていたことも、楽しむ旅にしようと思っていました。
――たしかに着いて早々、浮かれた服を買いに行ってましたね!
あれは、なかなか面白かったです(笑)。沖縄へ行くと、オリオンビールのTシャツを着ている人を見かけますけど、現地で買った服を着るのって、旅の上級者のイメージがあるんですよね。自分はやったことがないし、ちょっと苦手意識すらあったのですが、思い切ってやってみたら旅をしている感覚が増して、予想以上によかったです。もともとは苦手だったひとり旅も、チャレンジしてみることでどんどん好きになってきたので、もう少しレベルアップしたい気持ちもありました。なのでこの章では、旅をしたときに感じたことを素直に描けた気がします。
――ひとり旅を満喫している様子が伝わってきました。
そのまま描いたら、めちゃくちゃ旅を楽しんでいる人になったのでよかったです(笑)。旅の楽しみ方が変わってきている自覚は、それほどなかったのですが、エッセイにしたことで、「この人、だいぶ楽しんでるな」と気づけたので。
