あきらめたから今の自分がいる
――「あきらめる練習」をしたり、よくない記憶は「忘れるスイッチ」をオンにするなど、自分の性格との付き合い方も参考になりました。性格や考え方のクセを直すのは、年齢を重ねるほど難しくなる気がしますが、客観的に向き合うコツなどはありますか?
文章を書くことが好きで、日記や手帳に記したことをよく読み返します。9年くらい「note」で非公開の日記を書いているのですが、やっぱり9年前の自分と最近の自分は全然違うなと感じるし、年々ラクになっているような気がします。性格はそう簡単に変えられるものではないし、人との付き合い方も基本的には変わらないと思っているんですけど、私の場合はエッセイにすることで客観的になれて、「こういう自分もいいのかな」と受け入れられるようになってきました。
何かをあきらめたり、忘れたりすることも、30代半ばまではよくないことのように捉えていて、「もっと頑張らないと!」と自分を追い込んでしまっていました。だけど漫画に関しては、あきらめたから今の自分がいるのだと思えるようになったし、エッセイを10年も描き続けていられるなんて思ってもなかったので。日記やエッセイって、自分のよくないところがめちゃくちゃわかるんですよね。初期のエッセイはクセも強かったと思うし、10年かけて素直になる練習をしている感じです。
――人付き合いに関しても、友達と会って話したいときは、あれこれ考えず声をかけてみるなど、自分の気持ちに素直になる努力をしていますね。
東京に友達が多いので、離れてしまったぶん、声をかけないとそのまま付き合いがなくなってしまう不安もあって、こちらから積極的に誘うようにしています。誘う側に勇気がいるのは相手も一緒だし、断られてもへこまずに声をかけたいですね。
