故郷マレーシアと日本をつなぐ店を目指して

 「ケニーアジア」では、カレーに使う魚の頭は毎日仕入れ、一切冷凍をしません。なぜなら、魚の鮮度がカレーの味に影響するから。「大阪の人は舌が肥えているから、ひと口で食べると、すぐにわかるよ」とケニーさん。

 また、自家製のカレーペーストはもちろんのこと、あえて現地と違う小さいサイズの魚の頭を使うのもケニーさん流。「身がふっくらと仕上がり、カレーの味がしみやすいから」とのこと。

 さて、カレー以外にもこの店の名物はいくつもあり、私がかならず注文するのは「チャー・クイティオ」。“生”の米麺という、日本ではめったに食べられない特注の麺を使ったペナン名物で、もちもちした独特の麺の食感がいい! サンバルの香ばしさもたまりません。
 
 料理に加えて、お店の空間も楽しんでほしい、というケニーさんの願いから、金曜と土曜はバーテンダーが常駐。なんと、マレーシアで人気のドリンク「テタレ・アイス」をシェイカーで作ってくれます!

 魚好きも、カレー好きも満足でき、そして今までは単なる異国のひとつだったマレーシアがぐんと近くに感じられる場所。ぜひ訪れてみてください。

KENNYasia(ケニーアジア)

所在地 大阪市中央区千日前1-7-25 相合ビル1F
電話番号 06-7165-7011
営業時間 火~木曜 17:30~23:00  金・土曜 ~23:45  日曜 12:00~14:30、17:30~22:00 
定休日 月曜(祝日の場合、翌日に振り替え)※スパイスの仕入れのため、年に2回1週間程度お休み
アクセス 大阪難波駅より徒歩6分
http://kennyasia.com/

マレーシアごはんの会 古川 音(ふるかわ おと)
「マレーシアごはんの会」にて、マレーシア料理店とコラボしたイベント、マレーシア人シェフに習う料理教室を企画・開催。クアラルンプールに4年滞在した経験をもち、『ニッポンの評判』(新潮新書)のマレーシア編、『ナシレマッ!』(Malaysia Gohan kai)を執筆。マレーシアごはんの会の活動のほか、情報サイト「All About」でのマレーシアライター、食文化講演も担当している。
オフィシャルサイト http://malaysianfood.org/

Column

マレーシアごはん偏愛主義!

現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。

2018.07.31(火)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)