知る人ぞ知る美食の国、マレーシア。この連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。
カレー色に染まった魚の頭
魚の頭の料理といえば、日本では、カマ焼きかカブト煮でしょうか。東南アジアの美食の国、マレーシアで魚の頭といえば、ずばり、カレー。その名も「フィッシュヘッドカレー」です。
カレー好き、魚好きのマレーシア人がこよなく愛するフィッシュヘッドカレー。骨の多い魚の頭ですが、カマ焼きを食べるときと同じ要領で、エラの下や脳天の身をほじほじ。すると、カレーがたっぷり染みたやわらかな身があらわれ、魚好きにはたまらないのです!
カレーのタイプは、サラサラのスープ系。ココナッツミルクは比較的ひかえめで、フェネグリークやクミンなど清涼感のあるスパイスがきいています。多種のスパイスを使うのですが、それぞれが主張するのではなく、全体的にまとまりのあるマイルドな味わい。そのまとめ役となっているのが、タマリンドというマメ科の実の酸味です。
また、オクラ、茄子、トマト、ときに油揚げなど具だくさんで、それらにもカレーがしみしみ~。野菜のだしとカレーが混じり合っていて、それはそれは深~いおいしさなのです。
2017.05.15(月)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)