「来週もケンティーを見るために頑張って生きよう」を合言葉に

 遡ること7月某日、Amazonプライムビデオで「#WIP ~THE FIRST STAR~」が独占配信、というニュースが飛び込んできた――。

 ぬおお、ファンタスティック・グローリアス・オ・レ!!(←最大限の喜びを表しています)。サンキューアマプラ、待っていたのよ、ソロになった中島健人さんの濃ゆ~い特番を!

 中島健人さんは、どう活動の形を変えようとも、応援すると決めている。ソロになるニュースを見たときは、Sexy Zone箱推しだったこともあり、ショックのあまり「ケーーッ!!」と風邪ひいた鶏みたいな声を出してしまった。しかし落ち着け。中島健人が中島健人を貫くならば、何の心配があろうか。イメチェンでモヒカンにしようが、仙人ヒゲを生やそうが、すべて応援する。ちょんまげ姿なんて、むしろ待ちわびているくらいだ。大河カモーン!

 というのも、我が家は中島健人さんに大恩がある。コロナ禍の2021年、世の中がディストピア小説さながらになったあの時期。緊急事態宣言で外出自粛、せっまい(狭い)マンションで老母と2人暮らしの私は感染の恐怖に震え、母も「長生きするんじゃなかった」と弱気の極みであった。

 そんな、どんよりエブリデイを変えてくれたのが、ドラマ「彼女はキレイだった」の長谷部宗介役、中島健人さんだったのである! 彼が出るたびに「きれいねえ」「すてきねえ」と笑顔になる母。クッ、リチャード・ギアが好みという、ハードルがド高い彼女のハートを射止めるとは、やるわねケンティー! 

 親子で「来週もケンティーを見るために頑張って生きよう」を合言葉にするようになってから、笑顔が増えた。おおげさかよ! と思うなかれ。それくらい切羽詰まっていたのである。

 私は当時、よほど救われたのだろう、文春オンラインでもそのことを書いていた。あれからもう4年になるのか……。届かぬ感謝だが改めて叫びたい。あのときはセクシーレスキューをサンキュー!

2025.08.20(水)
文=田中 稲