魚の頭は縁起がよい食材!?
さて、私が初めてフィッシュヘッドカレーを食べたのは、友人に誘われて。おすすめの店がある、と向かったのは、中国系のレストランでした。
カレーといえばインド、というイメージがおそらく世の常ですが、このフィッシュヘッドカレーは、ここマレー半島でうまれた、といわれています。
「捨てられていた魚の頭を安く仕入れて作るようになった」「魚の頭はよく動く部分なので味がよい」「魚の発音が余(ユイ、ゆとりがあるという意味)と同じで、中国系に人気になった」など、カレーに魚の頭を使うようになった起源については諸説ありますが、どうも、多民族の暮らす国で、インドの日常食であるカレーと、中国の縁起担ぎの食文化が結びついたカレーであることは、たしかな模様。
そのため、マレーシアのフィッシュヘッドカレーは、おもに中国系レストランや中国とマレーの料理が融合したニョニャ料理店の看板メニューとして、よく提供されています。
なお、ニョニャ料理店では、タマリンドではなく、発酵海老のペースト(ブラチャン)を味の決め手として使うことも。食欲をそそる濃厚な香りが特徴です。
2017.05.15(月)
文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)