味の決め手は魚のすり身ぎゅうぎゅうの野菜ダネ!
常夏のマレーシアで暮らしていたとき、冬に食べたらもっとおいしいはず、と思っていた料理があります。在住者の間で“マレーシアのおでん”と呼ばれている、野菜とすり身のコンビ、ヨントウフです。
![オクラ、苦瓜、豆腐などの具に、魚のすり身などで作った餡がはさんである。鶏スープが定番で、地域によっては甘めの醤油ダレで食べることも。シンガポールでも人気。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/0/1280wm/img_404d165af1efa1843d73d397a44ace5a138070.jpg)
![店頭に並ぶヨントウフの具。食べたいものを1個ずつ選べる仕組みも、おでんぽい。ちなみに赤いのは唐辛子で、すり身の旨みと辛みのハーモニーが最高。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/f/1280wm/img_cf34478578b94b3cae1f6af84e508787156033.jpg)
ヨントウフは中国系の料理で、漢字で書くと「醸豆腐」。オリジナルは中国の客家料理である同名の「醸豆腐」といわれ、こちらは豆腐にひき肉を詰めたもの。それがなぜかマレーシアでは、多種の具を使ったバラエティに富んだ料理に発展しています。
日本ではおでん真っ盛りのこの時期。スーパーで売っているおでん用の魚のつみれを使って、ヨントウフを手軽に再現してみました。とても簡単なので、おでん好きなら、ぜひトライ!
◇マレーシア版おでん ヨントウフ
■材料(2~3人分)
餡
・魚のつみれ:200g
・海老:100g
具
・しいたけ:8個
・茄子:4本
・オクラ:1袋
・木綿豆腐:2丁
・鶏スープ:1.5リットル程度
・チリソース:お好みで
![今回、餡に使用したのは、やわらかいグチのつみれ(赤い皿)。味付きなので調味料要らず。具は他に、厚揚げ、苦瓜(中の空洞部分に餡を詰める)もおすすめ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/1280wm/img_f2ab2ba24957f11ea1e04f2435bd9114101020.jpg)
■作り方
(1) 海老を包丁でたたいて、細かくミンチ状にする。ボウルに入れ、魚のつみれをつぶしながらよく混ぜる。餡ができあがり。
(2) 茄子は下の写真を参考に厚めに斜め切り、木綿豆腐は三角形になるように切り、オクラは硬いヘタ部分を取り除く。それぞれ、餡を詰めるための切り込みをいれる。しいたけは石づきを落とす。
(3) 茄子、豆腐、オクラに餡を詰める。切り込みが裂けないよう慎重に。しいたけはカサの内側に詰める。
![しいたけ、茄子にはたっぷり詰めよう。具と餡がなじむよう、30分~1時間ほど冷蔵庫でねかせる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/6/1280wm/img_76b2331e032b220f57ca1fdd9460a9f387146.jpg)
![豆腐、オクラは切り込み部分を広げて餡を詰める。豆腐は、切り込みを中心に穴をあけてもOK。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/4/1280wm/img_5484f1cd6c9d287eb111b67827d2a8f569983.jpg)
(4) フライパンで多めの油(分量外)を熱したら、しいたけと茄子の表面をこんがり焼く。スープで煮るので、火は完全に通らなくてもOK。
![まず餡の部分を下にして焼く。表面に焼き色がつくまで、あまり動かさないこと。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/d/1280wm/img_4d03e8bb1b70356c98e40af3896c44d1100435.jpg)
![茄子は上下、左右と全面をしっかり焼こう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/e/1280wm/img_8ecaa1c5608ae3d07267cd56d0e5f7bc113033.jpg)
(5) 鶏スープで、豆腐、オクラを煮る。(4)のしいたけ、茄子も加えて、火が通ったら完成。
![市販のチリソースはおでんのからし的な使い方でどうぞ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/c/1280wm/img_1cc1d4f5ebf20ebd90e582be8445e7ab245394.jpg)
たくさん作って翌日も食べれば、鶏スープが具に染みて、さらにおいしくなりますよ。家族の好みに合わせて具の数や種類をアレンジしてもマル。
団らんにぴったりなアジア飯、ヨントウフを冬のレパートリーにぜひ加えてみて下さい。
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
マレーシアごはん偏愛主義!
現地で食べたごはんのおいしさに胸をうたれ、風土と歴史が育んだ食文化のとりことなった女性ふたりによる熱烈レポート。食べた人みんなを笑顔にする、マレーシアごはんのめくるめく世界をたっぷりご堪能ください。
2021.12.28(火)
写真・文=古川音(マレーシアごはんの会)
協力=チャーさん(マレーアジアンクイジーン店主)