マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国、マレーシア。実はこの国、知る人ぞ知る美食の国なのです。そこでこの連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。多様な文化が融け合い、食べた人みんなを笑顔にする、とっておきのマレーシアごはんに出会えますよ。
「チャー・クイティオ」を食べずして、マレーシア料理は語れない
今回紹介するのは、マレーシア料理初心者にぜひ食べて欲しい「チャー・クイティオ」です。
「チャー」は炒める(中国語)、「クイティオ」とは米の麺のこと。つまり、米の麺を炒めた料理が「チャー・クイティオ」で、独特の麺の食感、香ばしいサンバルソースの風味が特徴です。具は、海老、赤貝、中華ソーセージ、揚げた豚の脂身などバラエティに富んでいて、ボリュームも満点。辛すぎず、それでいて濃厚なうま味があり、老若男女を問わず人気のひと皿なのです。
麺を炒めるときに加える調味料は、この連載コラムでもおなじみの、マレーシア料理の核となるサンバルソースです。唐辛子に、玉ねぎと砂糖で甘みを加えたペーストで、辛さのなかに深~いコクがあります。それらを強火で一気に炒め、麺の表面はカリッと香ばしく、最後にとき卵を全体に絡めたらできあがり!
右:ペナンの有名店「Kafe Heng Fuat」の「チャー・クイティオ」。大きな海老がごろごろ入っているので、値段は11リンギット(約300円)とちょっとお高め。
さて、マレーシア全土で食べられる「チャー・クイティオ」ですが、発祥の地といわれているのが、マレー半島北西に位置するペナン島。食の宝庫であるペナンの名物料理が、このチャー・クイティオなのです!
2015.10.30(金)
文=古川 音
撮影=古川 音、三浦菜穂子