知る人ぞ知る美食の国、マレーシア。この連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。
日本人がハマる漢方スープ「バクテー」
マレーシアに住んでいた頃の記憶をたどると、バクテーLOVEの日本人の顔が次々に頭に浮かびます。「金曜日はバクテーの日」と決めて週イチでリピートしていたり、車で1時間かけて(それも高速道路を使って!)、お気に入りの店に通いまくっていたり。
多種多彩なマレーシア料理のなかで、現地で暮らす日本人の心をとらえて離さない、そして、帰国後も恋しく思う料理No.1といえば、このバクテーなのです。
バクテーとは、マレーシアやシンガポールで食べられている漢方スープ。滋養強壮の効果があるといわれる漢方を10種以上使い、具は豚の三枚肉、スペアリブ、ときに臓物系など。ご飯と一緒に食べる。
マレーシアで暮らすモモちゃん、小さいころからバクテーが好きで、スープをご飯にかけて雑炊風にして食べるのがお気にいり。
料理のルーツや地域ごとの味の違いは「マレーシアVS.シンガポール、脈々と続く「バクテー」美味対決!」の記事を読んでいただくとして、今回は、東京にあるマレーシア・バクテーの専門店をご紹介。「音さん、日本でおすすめはどこ?」と聞かれたとき、私が真っ先に名前を挙げる店「A1肉骨茶(エーワン・バクテー)」です。
一人分の土鍋でグツグツ煮込まれた状態で提供される「オリジナルバクテー(通称オリバク)」780円(ランチ、小鉢・ご飯付、サイズ小)。
バクテーに惚れこんだファウンダーの佐藤みさよさんが、現地の大手漢方メーカー「A1」と提携し、2014年2月、東京・十条にオープン。
合同で研究を重ね、日本向けのオリジナル漢方キットを開発するこだわりで、現地の味はそのままに、それでいて、初めてバクテーを食べる人にも気に入ってもらえるよう、18種の漢方を絶妙な割合でブレンドしています。
漢方スープで煮込まれた丸ごと1個のBAKにんにくは100円で提供。スープが中まで沁みていてトロトロにやわらかい。お酒のアテにもなる。
また、この店には、オリジナルのバクテーだけでなく、通向けの「濃厚タイプ」、漢方スープを使った「BAKにんにく」「BAKまん」「バクテーラーメン」、さらには煮込んだ豚肉にひと手間かけた「炙りバクテー」、体に良さそうな「薬膳ハイボール」など、独自のバクテーをアレンジしたメニューが多数!
バクテーを愛してやまない佐藤さんが、バクテーをとことん追求した店なのです。
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- 文・撮影=古川 音(マレーシアごはんの会)
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