黒胡椒やカレースパイスでパワーチャージ! 刺激的なラクサ

 黒胡椒をたっぷり効かせたスープが特徴の「サラワクラクサ」。ボルネオ島サラワク州で食べられるラクサです。具の千切りキュウリのしゃきしゃき感、錦糸卵のまろやかな甘みが、黒胡椒のパンチある辛みにぴったり。基本のスープは、鶏だしの透明なものですが、屋台によってはマイルドなカレー味も。麺は、ビーフン、卵麺、細めのクイテオなど、これもまた屋台によってこだわりの違いが見られます。ちなみに黒胡椒はサラワク州の特産物。日本に輸入されている黒胡椒の約5割がマレーシア産です。

ボルネオ島で食べられるサラワクラクサ。マレー半島ではなかなか出会えない味で、その希少性から熱狂的なファンがいる。

 そして、クアラルンプール地域でラクサといえば、「カレーラクサ」を指すことが多いでしょう。ココナッツミルクのきいた濃厚なカレースープで、麺は黄色の卵麺か、極細のビーフン。激辛ではありませんが、じわじわと辛さがきて、気が付けば額から汗がぽたっ、という味。お店によっては、別皿で唐辛子ペーストを提供し、お客さんが自分で辛さの調整をできるところもあります。具は茹で鶏、魚のすり身、油揚げ、ゆで卵、赤貝など。カレーに油揚げ?! と最初は驚きましたが、これがなかなか合うんですよ~。

カレーラクサ。じんわりと汗をかく濃厚なカレー麺で、ミーラクサやカレーミーと表現されることもある。ラクサリーフとよばれるタデ科の葉っぱが欠かせない。

2014.12.25(木)
文=古川 音
写真=古川 音、三浦菜穂子