この記事の連載

◆薬膳きのこ鍋

 きのこの持つ、体の元気を回復する効果を、余すことなく詰め込んだメニューです。きのこは4~5種類ほど入れると、味に深みが生まれます。ご紹介した種類以外に、お好みのきのこを使っても大丈夫です。

 骨付き肉や、なつめも元気を補充する効果が高いので、ぜひ鍋に一緒に入れて作りましょう。今回のレシピは、食材から出る旨味に少量の味付けをして仕上げた鍋です。濃い味の鍋出汁は、消化に負担をかけ、体の疲れを悪化させる場合もあるので、シンプルな味付けを心がけるといいでしょう。

●材料(4人前)

・鶏手羽中肉:12本
・昆布:15cm
・水:500ml
・しめじ:1袋
・えのき茸:0.5袋
・舞茸:1袋
・椎茸:5個
・なつめ:3個
・醤油:大さじ1

●作り方

(1) しめじ、えのき茸は固い部分を切り落とし、食べやすい大きさに裂きます。舞茸も同じ大きさになるように手で裂きます。椎茸は石づきを残したまま、半分に切ります。

(2) 鍋に水、昆布、なつめ、手羽中肉を入れて弱火でゆっくりと加熱します。

(3) 沸騰したら、醤油を入れて中火で加熱します。

(4) 手羽中肉が柔らかくなったら、(1)のきのこ類を入れてさらに煮ます。

(5) きのこ類がしんなりしてきたら火を止めます。

(6) お好みの量を器によそって完成です。

残暑疲れをリセットして、味覚の秋を楽しもう

 夏の終わりから秋にかけての不調は、夏の疲労感が残っていることが原因でもあります。疲労回復食材である「きのこ」を積極的に食べて、体の内側から不調を回復させましょう。

 きのこは、皮を剥いたり洗ったりなどの下処理がほとんどいらないので、忙しい現代人のお助けになる食材です。秋に旬を迎えるきのこを楽しみながら、体を整える知識としてご活用ください。

【写真でレシピを手軽に復習!】

さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。

次の話を読む“金針菜”の鉄分はホウレン草の約20倍 生理痛がつらい人に食べてほしい 3つの薬膳レシピをご紹介

← この連載をはじめから読む

Column

さとうあいの薬膳レシピ

季節の変わり目や、疲れなどからくる体調の変化に薬膳料理はいかがでしょう。
身近な食材を使った薬膳料理を、料理家のさとうあいさんが教えてくれます。
難しい準備は不要! 簡単でおいしいレシピの数々に体も喜ぶはず。

2022.09.05(月)
文・撮影=さとうあい