冷凍食品に冷凍野菜
ガンガン試してみて下さい
ちょっと具体的に。
たとえばこれ、冷凍食品のドライカレーをチンしたもの。このままでもじゅうぶんおいしいけれど、1食としてはもうちょい野菜がほしい。そんなとき私は、こんな“ちょい足し”をしています。
インゲンとプチトマトを足して、卵を落としてあります。ドライカレーだけだとほぼ炭水化物しかとれないところに野菜とタンパク質をプラス。卵が全体の味わいをうまくまとめて、ドライカレーもともとの味つけだけで、じゅうぶんおいしくいただけます。
そしてインゲンは冷凍野菜なんですよ。
取材していると「野菜はとりたいけど、生ものが冷蔵庫に入っているのが“重い”んです」という声、実によく聞かれます。
「使い切れないんじゃないか」「腐らせてしまいそう……」と心配で、負担になってしまうんですね。実際使い切れず腐らせてしまったことで、「軽いトラウマになった」という人もいました。
そんな人にはガンガン冷凍野菜、試してみてほしい。今は食感もずいぶんよくなって、質も上がりました。何よりも保存期間が長くて、下ごしらえが要らないのが魅力。チンすればそのまま使えますし、ものによってはそのまま汁に放り込んでもOK。栄養もとれますよ。
最近は冷凍野菜を置いているコンビニも増えました。量としては先の写真のように、片手で軽くひとつかみを1食にプラスする目安にしてください。
「こんなことで自炊?」と思う人もいるかもしれませんが、できあいのものや冷凍食品にプチトマトや冷凍野菜を足すだけでも、卵1個足すだけでも、じゅうぶん立派な「自炊」です。
食は基本、生活における楽しみであってほしいと思っています。仕事や育児、介護などで疲れているならば、それ以外の時間は基本休息、そして自分癒しの時間でなくては。そうじゃないと心休まる暇、ないですよね。
そして食べることは「発散」に繋がるもの。だからこそ、基本的には好きなものを選んで、自由に食べてほしい。ただ、自炊力を上げていこうと思うならば、まずは「自分の食事、何が足りないか」を考えてみるところから始めるのはどうでしょうか。
拙著に書いたあれやこれやを含みつつ、食べることと暮らしのこと、しばらくこちらで書かせていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
Column
白央篤司の罪悪感撲滅自炊入門
料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。冷凍食品にちょい足しするのも立派な自炊。簡単なことから始めてみませんか?
2019.03.17(日)
文=白央篤司