立春を過ぎ、暦の上だけでなく、春らしい陽気を感じる日も多くなってきました。

 和菓子の世界でも新しい季節の兆しがあちこちに。いちごの味わいを閉じ込めたきんとんや、新しい味にな組み合わせなった「ちぐさかん」が登場します。


「あまおう」のおいしさをきんとんに閉じ込めて

 2月から提供がはじまっている、つくりたてのきんとんは、「馨(かおる)」。日本語には香りを表現する漢字がいくつかありますが、「馨」は、よいにおいが漂うことを指す言葉だそうです。

 きんとんの「馨」は、いちごの香りと味を楽しむお菓子です。カウンター席で目の前でつくってもらえば、まさにそんな香りに酔いしれることができます。

 鮮やかなピンク色ですが、これはもちろん天然のいちごの色から。

 あまおうは、セミドライ、煮詰めたピュレ、生を刻んだものの3種類を用意。香りも味も楽しめるようにとバランスよく配合し、白餡に混ぜ込みます。酸味を補うため、レモン汁も少し。

 鮮やかに染まった白餡を裏ごししてそぼろにし、御膳餡(こし餡)に手作業で少しずつ付けていきます。

 つまり、御膳餡、白餡、あまおうが主役の、とてもシンプルな構成。香りをもっとも引き立たせ、餡のおいしさも極まるのです。

 ふわっとしたそぼろには、いちごの種のつぶつぶもちらほら。セミドライの凝縮した甘みや、フレッシュないちごの甘酸っぱさ……。数あるいちごのなかから、このお菓子に合う品種を選び抜き「あまおう」に決めた、というのも頷けます。

 お店のおすすめは紅茶に合わせること。たしかに、濃厚ないちごの味わいがすっとなじむ、最高のマリアージュです。

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