お正月が過ぎ、和菓子の世界は一足早く暦の上での春へと向かいます。
特に「梅」は、まだ寒い時期から蕾をほころばせ、あたたかな春への予兆を感じさせる縁起のいいモチーフです。
今回は、とらやを代表する“梅”にまつわる銘菓、雪に見立てたふんわりとしたきんとんをご紹介しましょう。
とらやを代表する銘菓「夜の梅」
とらやを代表する銘菓といえば小倉羊羹 「夜の梅」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
羊羹を切ったときの断面にある小豆が夜に咲く梅を思わせることから、この名前が付けられました。「夜の梅」というモチーフ自体は、『古今和歌集』にも登場し、浮世絵や錦絵にも、暗闇にほんのりと咲く梅を愛でる様子が描かれています。
また、とらやに「夜の梅」という名前の羊羹が登場したのは、200年以上前とされ、その名づけのセンスには脱帽です。
さて、最近は手みやげなどに「小形羊羹」が人気です。たしかに、大きな棹羊羹は小さい家族では持て余してしまうかもしれません。
小形羊羹はぱくりと食べやすいのですが、羊羹のおいしさの決め手は食感とも言われるため、ぜひ一度は少し厚みのある羊羹を味わってみてください。厚く切り分けた羊羹は、しっかりと噛みしめたあとに上品な甘味の中にも小豆の風味の余韻が……羊羹好きにはその違いがわかるはず。
とらやのお菓子を表現する「少し甘く、少し硬く、後味よく」という言葉は、まさにこの羊羹を表しています。
虎屋菓寮では、この“厚み”のおいしさが楽しめる24ミリに切り分けた羊羹をお好みの飲み物と一緒に楽しめるので、ぜひここで“羊羹の真髄”を味わってみてください。
ちなみに、飲みものの中でいちばん人気は抹茶。ほかの日本茶はもちろんのこと、コーヒーにもよく合い、虎屋菓寮のメニューにはありませんが、おうちでウイスキーに合わせるのもおすすめだそうです。
