いきなり3クール連続で、ドラマ出演

――ちなみに、事務所に入ることに関しては即決だったんですか?

 自分はすぐに入る気満々で事務所に電話したんですが、書類を送って、その後も2次、3次とオーディションがあったり、自分の自己紹介ビデオを撮らなくちゃいけなかったりして、驚きましたね(笑)。ただ、母親と高校は卒業すると約束をしていたので、卒業までは本格的に活動するよりは、学校に行きながらレッスンを中心にやっていくことに決めました。

――とはいえ、翌10年から「素直になれなくて」「ハンマーセッション!」「秘密」と、3クール連続でドラマ出演されましたよね。

 社長の口から「ドラマ決まったぞ」と聞いたときには、驚きましたが、そこから芸名を決めて、気づいたら現場に行ってました(笑)。でも、観ることが好きだったこともあって、メイキング映像で観たことのあるような世界が目の前に広がっていたし、その中で演じることも楽しかったんです。最初にそう思わなかったら、その後も続けなかったと思うので、勉強のためにも、いい期間だったと思いますね。

――いきなりの現場で、緊張のようなものはありましたか?

 ありませんでした。それに、はじめは「セリフを覚えて、言えばいいんでしょ?」とか、どこかナメてたところもあったと思うんです。それで助監督の方に「これは君であって、その役ではない」と言われたことで、悔しい気持ちがわいてきたのはハッキリと覚えています。

2017.02.03(金)
文=くれい響
撮影=鈴木七絵