ボランティアでカンボジアに学校を建てた大学生の実話を映画化した『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.』(9月23日公開)。本作で向井理演じる主人公・コータに協力する、大学生・本田を演じる松坂桃李(まつざか とおり)。2009年「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンレッド役で注目され、その後、数々のドラマ、バラエティへの出演を経て、今回準主役に大抜擢。ヒーローのように熱い、その素顔に迫った!
読者モデルから、お茶の間のヒーローに
――デビューのきっかけとなった、ファッション誌の専属モデル・オーディション。もともと芸能界に対して、興味はあったのですか?
芸能界にはまったく興味ありませんでした。オーディションは大学2年の頃、友達から「受けてみれば?」と勧められたのがきっかけです。僕も「オーディションって、こんな感じだったよ」という、友達との話題作りのために、ノリで受けた感じでした。オーディションに受かっても、雑誌の撮影も月に2回程度でしたし、言ってしまえばアルバイト感覚。そのときも、この世界でやっていこう、という思いはまったくなかったんです。
――その後、「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンレッド役で注目されますが、なぜ、モデルから演技の世界に?
それまで芝居をしたこともなかったんですが、事務所の方に言われるがままオーディションに行ったら合格してしまいました。でも、受かってもすぐに実感はわかなかったですね。1年間、撮影が毎日のようにあるので、大学を休学しなければならないことになって、そのとき初めて、どうしよう?という焦りが出てきたんです。
――「シンケンジャー」としての1年間で、学んだことはありますか?
たくさんありますね。最初は俺たち5人が主役だから、みたいなことを思うこともありましたが、実際は監督さんを始め、スタッフさんあっての僕らだし、それを見てくれる視聴者のみなさんがいなければ、僕たちは成り立たない。そういうこの世界の常識みたいなものをしっかり学ぶことができた現場でしたね。「シンケンジャー」が終わる寸前ぐらいのとき、思い返すとあのシーンをこうやっておけばよかったかな、とか自分の演技に対して後悔を持つようになりました。それを機に、お芝居というものに興味を持ち始めた気がしますね。今でも子供たちから声を掛けられますし、その子たちが大きくなっても僕をシンケンレッドとして見てくれることは、うれしいことです。あの役を演じられたことを誇りに思っていますから。
2011.09.18(日)
text:Hibiki Kurei
photographs:Asami Enomoto
styling:Noriko Suzuki
hair&make-up:SHUTARO(vitamins)