高額モニター調査に集められた、ワケありの男たちの謎解きゲームを描いた、映画『シャッフル』。そのなかの一人、フリーライター・轟を演じたのが賀来賢人(かく けんと)。近年は「Q10」などTVドラマや映画『パラダイス・キス』などで活躍する、気になる個性派イケメンに接近!

役者として、多くを学んだ初主演作

――まずは、デビューのきっかけを教えてください。

 簡単にいえば知人の紹介です。親戚が僕のスナップ写真を持っていて、それを見た今の事務所の方から連絡があったんです。ドラマ「木更津キャッツアイ」がスゴい好きだったので、芸能界になんらかの興味はあったと思うんですけど、将来は役者になりたい、とまでは思っていませんでしたね。

――その後、映画を中心に活動されますが、浅田次郎さんの原作を映画化した『銀色の雨』での好演は印象的でした。

『銀色の雨』は、役者として転機となった作品です。初主演ということもあったし、初めて芝居と向き合っている気持ちになりました。そして、なぜこういうことになるか、という脚本の読み方などを、一から徹底して学ばせてもらった現場でした。自分ができないことに悩みましたし、いろいろな想い出がある作品です。

――今年は、『パラダイス・キス』で主要キャラクターの一人を演じましたが、人気コミックが原作ということもあり、プレッシャーのようなものはありましたか?

 コミック原作をやるのはほぼ初めてだったので、多少はそういう意識はありましたが、芝居については伸び伸び演らせてもらえました。今考えると、これまでいろいろな役を演ってますよね。ホント、有難いことです。いろんな役を演らせてもらうことで、自分の不安要素を消すことができるんです。やはり、現場に入る前はなかなかイメージしにくいですから。

――「タンブリング」「Q10」「アスコーマーチ 明日香工業高校物語」など、最近はTVドラマへの出演が増えてきた気がします。

 TVドラマは最初に完成された台本がなく、回ごとに上がってくるので、どういう演技プランを立てるか難しいし、最初は撮影のスピードについていけなかったんです。どっちがいいかは分かりませんが、とにかくTVドラマでは瞬発力が必要だと思うんです。今ではだいぶ慣れてきたような気がします。

2011.10.22(土)
text:Hibiki Kurei
photographs:Shigeki Yamamoto
styling:Shogo Ito
hair&make-up:Masako Shibuya