ミュージシャンとしてのみならず、幅広いジャンルで活躍してきた近田春夫さんが、半世紀を超えるそのキャリアにおいて親交を重ね、交遊してきた錚々たる女性たちとトークを繰り広げる対談シリーズ「おんな友達との会話」。
4人目のゲストは、イラストレーターのこぐれひでこさん。実は、近田さんとは半世紀を超える親交を続ける仲である。対談を行った場所は、相模湾を見下ろす景勝地、横須賀は秋谷にあるこぐれさんのご自宅。夫君の売れっ子フォトグラファー・小暮徹さんも交えた対話の様子をここにお届け。
アパレルブランド「2CV」と“疑惑の人”との因縁とは…?
近田 ひでちゃんがやってたアパレルのブランド「2CV(ドゥーシーヴォー)」ってさ、何年ぐらい続いたの?
こぐれ 75年に創業して、10年しかやってないのよ。
近田 結構短かったんだね。
こぐれ そういや、三浦和義がさ、うちの会社に出入りしてたのよ。
近田 三浦和義って、あのロス疑惑の? CREAとはいえど、文藝春秋のメディアとしては聞き流せない話題だよ(笑)。
こぐれ そう。彼は、当時、「エイガールズ」っていう生地のメーカーの新入りだったんだけど、何だか怪しい儲け話を持って2CVにやってくるのよ。
近田 イメージを裏切らないね。
こぐれ 生地を選んだ後、私が帰ろうとしてエレベーターに乗ったら、一緒に乗り込んできて、「自分の叔母は水の江瀧子で」って話もそこで聞いた。
近田 本当は水の江瀧子の隠し子じゃないかって、真偽不明の噂も囁かれてたよね。
こぐれ それで、出張先のロサンゼルスから、ご丁寧に手紙をくれるわけ。そこに、うちの女子社員の名前を挙げて「○○さんによろしく」って書いてある。
近田 さすが、女好きの面目躍如だね。ますますイメージを裏切らない。
こぐれ それでさあ、彼があんまりしょっちゅう会社に来るもんで、私、ついに「何のメリットがあるんだ!」って机を叩いて怒鳴ったらしいのよ。
近田 ひでちゃん、怒ったんだ。珍しいね。
こぐれ そしたらね、彼はすごく臆病な人なんだよね。ツーッて帰って、それっきり、一切来なくなっちゃった。
近田 俺、一度も会ったはずがないのに、なぜか三浦和義の名刺持ってるんだよね。ひょっとしたら、ひでちゃんからもらったのかな。
こぐれ そうかもしれない。ナベゾには、あげた記憶があるんだけど。
近田 ナベゾって、ベストセラー『金魂巻』などで有名なイラストレーターの渡辺和博のことね。あいつだったら、間違いなく喜んだよ(笑)。
こぐれ 三浦和義とは妙な因縁があってさ、その後、2CVが渋谷のパルコPart2に初めての店を出したら、その向かいのテナントが三浦の店だったのよ。
近田 あんなに怒鳴ったのに、まだ縁が切れてなかったのね(笑)。
こぐれ そう。「フルハムロード」だっけ、あの店があって、三浦和義がさ、2CVの店員の子のお尻を触りにくるのよ。みんな、すっごい嫌がってた。本当に困った人だったのよ。
