転機となった「キョウリュウジャー」の思い出

――そして、13年に「獣電戦隊キョウリュウジャー」で桐生ダイゴ/キョウリュウレッド役を演じるわけですが、やはり本作が竜星さんの転機となった作品でしょうか?

 より多くの方に知ってもらったということで、大きなきっかけになった作品ですし、とにかくやって良かったといえる素晴らしい1年でした。1年を通じて、同じ役を生きることは珍しいことですし、いろんなものを得ることができましたし、マイナスなことはひとつもなかった。

――その1年で、印象的だった出来事を教えてください。

 坂本浩一監督の下、いろいろなアクションをやらせていただきました。ただ単純に「面白い」と思われる作品を作りたい、という思いからみんなでやっていたんです。だから、その後のシリーズでレッド役をやることになった志尊(淳)くんら後輩から「どうやって、みんなをまとめたらいいんですか?」と聞かれても、よく分からないんですよ。まとめようと思ったことがないから(笑)。それは桐生ダイゴのキャラでもあるんですが、みんなが同じ方向を向いていれば、レッドがまとめようと思わなくても、その方向に向かっていけると思うんです。あと、当時は自分のことというより、作品の全体の面白さを伝えることばかり考えていました。

――その後、ドラマ「GTO」「ごめんね青春!」で、ふたたび学園モノの生徒役を演じますが、「キョウリュウジャー」の1年を挟んだことで、心境の変化みたいなものはありましたか?

 僕の中で「キョウリュウジャー」は、ちょっと旅立ちのような作品だったので、戻ってきた感じが強かったですね。でも、「キョウリュウジャー」のTVシリーズ後に撮った劇場版だったり、スピンオフで声をかけてもらうと、それはそれでホームに戻ってきた感じがするし、何だか不思議な感じがしましたね。

2017.02.03(金)
文=くれい響
撮影=鈴木七絵