ワイルドでバイオレンスな『シマウマ』への挑戦
――個人的には、ダークな世界観と過激なバイオレンス描写が人気のコミックを映画化した『シマウマ』で竜夫(ドラ)を演じたことは、竜星さんにとって大きな転機になったと思いますが、やはりパブリックイメージを壊したいという気持ちは強かったんですか?
戦隊ヒーローものをやると、そのイメージが強く付いてしまうと思うし、なかなかそこから抜け出すのが難しいと思っていたんです。そういう意味では、あのタイミングで『シマウマ』のようなハードな作品に出るというのは、自分の役者人生の中では大事なことなのかな? って。自分でもあそこまでできるという自信はついたし、出て良かったと思います。
――ちなみに公開後、ファンの方など、周りの反響はいかがでしたか?
ファンの人の中には、「絶対に観られない」という方もいましたし、逆に「普段は観ないジャンルだけど、竜星くんが出ているから観た」という方もいましたし、いろいろな意見がありました。僕らは正直イメージで生きていると思うので、「キョウリュウジャー」がいちばんという人がいれば、『シマウマ』のボロボロな僕が好きな人がいるのは当然だし、観る人の好みのなかでの“いちばん”を決めてもらえれば嬉しいですね。僕の仕事は、それを決めてもらう、きっかけだと思っています。
――その後に、難病の青年を演じた『泣き虫ピエロの結婚式』に主演という流れもスゴいですね。
いろんな方に「こいつは何でもできるんだ!」と思ってもらえたら、嬉しいですし、全然違うキャラをみせることができるというのは、役者として本当に幸せなことだと思いますね。
2017.02.03(金)
文=くれい響
撮影=鈴木七絵