次回作では新たなジャンルに挑戦!
――今後、将来のヴィジョンのようなものはありますか?
音楽活動でいえば、16年に大きなライブを予定しているので、15年は、新しいアルバムを制作し、また、新しい映画も制作します。来年制作する新作映画は、霊やモンスターが登場しない、つまり今回とはまったく違うジャンル――警察を舞台にした洗練されたサスペンス・スリラーになります。香港映画界を変えていきたいといった、野心的な考えはありませんが、今後もオープンにトライしていきたいとは思います。じつは『キョンシー』は「『復讐の絆』の続編の脚本を書いてくれないか?」というところから始まった企画だったんです。来年制作する次回作も「『キョンシー』の続編をやらないか?」というところから始まった企画なので、何がどう変化するかわかりませんね。
ジュノ・マック(麥浚龍)
1984年3月18日生まれ。香港出身。2002年、ミュージシャンとしてCDデビュー。03年に俳優として映画デビューし、10年公開の『復讐の絆』では主演・脚本・プロデュースを兼任。プチョン国際ファンタスティック映画祭で最優秀主演男優賞のほか、モスクワ国際映画祭で“哲学的思想を持つ脚本賞”を受賞。13年『キョンシー』で監督デビューを飾る。
『キョンシー』
過去に活躍したものの、今では落ち目の俳優・シュウホウ(チン・シュウホウ)。彼は幽霊が出現すると囁かれる団地に入居し、そこを死に場所にしようとするが、壮絶な過去を背負って生きる子連れの女性、空の棺桶に固執する不気味な老女、本物の霊幻道士といった住民と出会う。
(c)2013 Kudos Films Limited. All Right Reserved.
10月25日より、ヒューマントラスト渋谷ほかにて公開
http://www.shochiku.co.jp/sitgesfanta/lineup.html
くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2014.10.17(金)
文=くれい響
撮影=榎本麻美