北海道で絶大な人気を誇るラップグループN.C.B.BのメンバーでもあるYOUNG DAIS。井上三太原作の伝説コミックを映画化した『TOKYO TRIBE』の主演に抜擢された彼の地元愛とは?

気になる名前の由来は留学時代の愛称から

――北海道出身のYOUNG DAISさんですが、16歳から3年間、アメリカ・ニューハンプシャー州の全寮制高校に留学されていたそうですね?

 理由あって高校を3カ月で中退してしまったんですが、これからの時代、英語を習得して、いろんな国の人とコミュニケーションをとりたいと思い、海外留学を決めたんです。その前からヒップホップが好きで、今も同じグループ(N.C.B.B)のメンバー、恵庭のシュウの影響で自分でもラップを書き、共に楽曲制作をしていましたが、このときの渡米は完全に語学習得のためでした。だから、留学先はニューヨークでもLAでもなく、あえて田舎のニューハンプシャーだったんです。

――将来的にミュージシャンを目指すには、環境的に辛くなかったのでしょうか?

 田舎とはいえ、TVをつければ、有名なヒップホップ・アーティストのミュージックが流れているし、トークショーにも出演している。それに日本よりも、周りの人のヒップホップに対する認識は深くて、生活の一部みたいなものでした。学校が休みのときには、バスに乗ってニューヨークやボストンに出かけたりしていましたし、恵庭のシュウとは国際電話で話しながら、一緒に曲を作ったりしていましたので、全然辛くはなかったです。

――ちなみに、YOUNG DAISという名は、留学時に呼ばれていたあだ名ですか?

 本名がSHIMADA DAISAKUなので、みんなからDAIと呼ばれていたんです。そこから高校の購買部で買い物するときのサインが“DAI.S”になって、現地の仲間がダイスと呼ぶようになり、それがしっくり来るようになりました。僕がアメリカに行っているあいだも恵庭のシュウや仲間が地元のヒップホップのシーンで活動してくれていたので、帰国後も彼らが築き上げてくれた環境でDAISとして活動できたんですが、世の中にDAISという名で活動している人が多いことに気付いたんです。それで06年ぐらいに、僕の永遠のテーマである「FOREVER YOUNG」のYOUNGという言葉を付けて、YOUNG DAISに改名しました。

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2014.08.22(金)
文=くれい響
撮影=三浦英絵