R&Bシンガー出身の俳優・松下優也、24歳。男子新体操部を描いた人気ドラマを舞台化する「タンブリング」最終作への想いを、そしてこれからの自分を熱く語った第2回。

ジャンルを問わず、ボーダーレスでやりたい

――前回お話しいただいたミュージカル「黒執事」のほかに、印象に残っている作品はありますか?

 このところ、ミュージカルを中心にやらせてもらっていますが、今年に入って「Paco ~パコと魔法の絵本~ from『ガマ王子vsザリガニ魔人』」で、初めてストレートプレイをやらせてもらったんです。あのときはメチャメチャ芝居が楽しくて、「もう舞台で歌わなくてもいい」と思ったぐらい(笑)。それだけ没頭できたし、その役でいることができたと思いますね。

――これまでのキャリアを振り返ると、R&Bアーティストとしての顔、ミュージカル俳優としての顔、アニメ主題歌を歌う顔など、さまざまな顔を持つと同時に、各ジャンルのファンがいますよね?

 前からアニメファンがR&Bに触れるように、R&B好きな人がミュージカルに触れるように、ジャンルとジャンルの架け橋になればいいと言っていたんですが、今、結果としてそうなれていたらうれしいですね。僕がそれまで知らなかったジャンルの素晴らしさに気付かされてきたように、それぞれのジャンルのファンの方にも、ほかのジャンルの素晴らしさに気付いてもらいたいですね。僕自身、保守的ではない、どこか挑戦的な、アメリカ的な考え方が好きなんです。「これはこうあるべき」とか「これをやったら、あっちはやってはいけない」といった考えがあんまり好きじゃない。日本人はジャンルで区切りたがるけれど、自分で限界を作りたくない。ボーダーレスでやることで、もっと面白くなると思うんですよね。

2014.07.04(金)
文=くれい響
撮影=鈴木七絵
ヘア&メイク=武部千里