そこに立つことにふさわしい人間になりたい

――今後はどのような目標を持って活動していく予定ですか? 

 昔は「何年後に、あそこでライヴしたい」というような目標があったんですが、今は自分が何年後にこうなっていたいというヴィジョンはできるだけ持たないようにしてるんです。今とちゃんと向き合っていれば、結果としてついてくると思うから。それに、どんなに理想を描いても、なるようにしかならないと思うんですよね(笑)。ただ、数年後にはもっと揺るぎない存在になっている自信はありますね。「そこに立ちたい」と僕が思うのではなく、「そこに立つことにふさわしい人間」だと周囲に認められたいと思うんです。

――憧れの存在といえる俳優さんはいますか?

 たとえば、「IN THE HEIGHTS」で共演させていただいた前田美波里さんや、「Paco~」で共演させていただいた西岡徳馬さん。自分がお二人の年齢まで生きられるとしたら、現役を続けられるとしたら、24歳の僕はまだまだ生まれたばっか(笑)。まだまだ下積みなんです。これから数年は、たくさんのことを吸収する時期だと思って活動していきたい。あえて、いろんな苦労をしたい、ジグザグ道を選んで遠回りをしたいんですよ。

松下優也(まつしたゆうや)
1990年兵庫県出身。2008年11月、Jin Nakamuraプロデュースのもとシングル「foolish foolish」でデビュー。09年ミュージカル「音楽舞闘会「黒執事」―その執事、友好―」に初舞台・初主演。類まれなるボーカリストとしての才能とダンスセンスを遺憾なく発揮し、舞台を成功に導いた。そのほか、舞台を中心に、映画・ドラマ・CMなどで活躍中。

『タンブリングFINAL』
自他共に認める史上最強の部活助っ人、烏森高校3年・望月宙(松下優也)。数々の運動部のピンチを救ってきた彼が最後に乗り込んだ部活は、火賀淳平(須賀健太)率いる男子新体操部。それぞれの想いを胸に対立する部員や教諭は高校最後の大会に出場できるのか?
http://www.tumblingtbs.jp/
東京ファイナル公演:7月16日(水)~21日(月・祝日) 赤坂ACTシアター

くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2014.07.04(金)
文=くれい響
撮影=鈴木七絵
ヘア&メイク=武部千里