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 群馬県桐生市の町散策 前篇では、名物ひもかわうどんの老舗とモダンな刺しゅう屋を訪れたモデルの吉岡更紗(さらさ)さん。後篇では、ぬくもりを感じる路地裏書店と、オリジナルブレンドのコーヒーが評判のカフェへ。山歩きの後の観光と、風情ある町並みを満喫した様子をご紹介します。

【#1を読む】【360度のパノラマが広がる穴場の低山】信仰の山として親しまれてきた、群馬・鳴神山に初夏の山旅へ
【#2を読む】山から桐生観光へ。歴史息づく町で名物グルメと新進ショップに出合う


ふらりと立ち寄った個人書店は、オーナーこだわりの選書が魅力

 刺しゅう屋×ボタニカルショップの十坊(てんぼう)を後にすると、同じ旧織物工場の敷地内に立つ「本 BOOK」と書かれたのぼりが目に留まりました。木造のレトロな外観に山吹色ののれんが映えるここは、どうやら書店のよう。立て看板には「まちと山と里をめぐる本屋 ふやふや堂」と書かれています。

 関心のままに未知の場所に足を踏み入れてみる。これもまた旅の醍醐味と思い、吉岡さんとともに中をのぞいてみることに。こじんまりとしたとした店内の本棚とテーブルには、所狭しとさまざまなジャンルの書籍が並べられています。どんなタイトルがそろっているのだろうかと目をやると、ミシマ社や夏葉社といったユニークな本づくりに定評がある出版社の書籍がちらほら。

 私たちを迎え入れてくれた女性スタッフは、オーナー齋藤直己さんの奥さまの政美さん。ふやふや堂はご夫婦で経営されているそう。彼女と少し話していると、奥で作業をされていたご主人の直己さんも店頭に顔を出してくれました。

ふやふや堂

群馬県桐生市本町1-4-13

2025.09.20(土)
取材・文=宮﨑真里江
写真=釜谷洋史