本は人生を助ける。旅先で出合う1冊がきっかけになることも


ありふれた大型書店とはひと味違う選書に個性が光る、ふやふや堂。その営業スタイルもユニークで、お店を開けるのは基本的に毎週月曜日と金曜日、そして第1土曜日のみ。東京のデザイン会社勤務などを経て、故郷の桐生にふやふや堂をオープンした直己さんですが、本業は地図デザイナー。普段はパンフレットや観光ガイドなどに掲載されている地図を専門に制作しています。
子どもの頃から書店という場所が好きだったという直己さんいわく、「ふやふや堂は人の背中を押すために作った場所」。そんな思いにいたったのは仕事のことで悩んでいた時に知人に勧められた1冊が人生の助けになったという、自身の経験が背景にあるのだそう。
直己さんは「人は悩んでいると、適した本が手もとにくるんです。それが悩みの助けになることもある。読書はしないという人にも、ふらりと立ち寄ってもらえれば」と話してくれました。ふやふや堂は「まちと山と里をめぐる本屋」のうたい文句の通り、実店舗の営業だけでなく、桐生市内のイベントなどで出張営業も行っているそう。月ごとの営業スケジュールは公式SNSで発信しているので、ぜひチェックしてみてください。桐生観光を通じて、もしかしたら人生のきっかけになるような1冊に出合えるかもしれません。


2025.09.20(土)
取材・文=宮﨑真里江
写真=釜谷洋史