●目黒 蓮、磯村勇斗の少年時代を好演
――それまで経験がまったくないなかで、演技の仕事はいかがでしたか?
毎週、演技やダンスのレッスンに通いながら感じていたことは、「演じるというのは『キングダム』のような熱いお芝居だけじゃない」ということでした。最初のお仕事は「明治 SAVAS」のウェブCMだったのですが、友だちや周りの人たちからの反応や反響があったことがとても嬉しかったんです。
そこからバラエティ番組の再現VTRなど、少しずついろんなシーンに触れていくことによって、お芝居をすることの楽しさを知っていきました。
――その後、初めての連ドラ「パパとムスメの7日間」に出演されます。
学校の生徒役でレギュラー出演させていただいたのですが、現場の空気感がとても温かったです。いろいろな俳優の方たちがお芝居されているところを目の前で見ることができ、実際にお話しさせていただく機会もありましたし、いろいろな撮影現場の勉強をさせていただきました。毎日のように通っていたので、撮影が終わったときはすごく寂しかったです。
――続いて、「トリリオンゲーム」では目黒 蓮さんの少年時代役を、『正欲』では磯村勇斗さんの少年時代役を演じられました。特徴や仕草など、ご本人を意識されるようなことは?
「トリリオンゲーム」のときは事前に、目黒さんがお芝居されている映像を少し見させていただくことができたんです。そこで、目黒さんが演じる陽の特徴を捉えて、監督にアドバイスしていただきながら、少しずつ寄せていきました。台本を読んだときに感じたパワフルさを基本に、目黒さんの笑い方などを意識しました。
その前に撮影していた『正欲』では、セリフがない中、僕がまだ出会ったことがない感情を表現しなければならなかったので、「どうしよう?」と思っていました。でも、監督が「あえて似せようとしないで、思ったままでいいよ」と言ってくださったので安心しました。監督のおかげで演じられましたが、完成した映画を観たときに、改めて役の重要さと難しさを理解しました。
2024.01.12(金)
文=くれい 響
撮影=今井知佑