現在放送中の朝ドラ「ブギウギ」ではUSK(梅丸少女歌劇団)の専属ピアニスト・股野義夫を好演し、注目を浴びている森永悠希。『ちはやふる』の“机くん”など、爽やかな笑顔が特徴的だった彼が『市子』では新境地を開拓。ひたすら悩み、苦しんだ難役について語ってくれた。
●天才子役として注目された『しゃべれども しゃべれども』
――幼い頃から児童劇団に所属していた森永さんですが、どんな子だったんですか?
人前で歌ったり、踊ったり、何かを表現するのがとても好きな子だったようですね。それで親が何か習い事をさせたいと思っていたときに、叔父が地元・大阪の児童劇団に送った写真が審査を通って、4歳のときに所属することになりました。週ごとにいろいろなカリキュラムがあって、ダンスや歌、お芝居をやりながらオーディションを受けていくという生活を送っていました。
――そして、07年に国分太一さん主演の『しゃべれども しゃべれども』に出演。勝気な関西弁の少年・村林役を演じ、その天才子役ぶりが話題になりました。
オーディションで、初めて大きな役をいただいた作品だったのですが、それまでは自分がお仕事をしている意識はあまりなくて……。この作品をきっかけに、お仕事を意識するようになったかもしれません。国分さんを始め、現場ではみなさんに優しくしていただいた思い出もありますし、小学校の先生から「撮影の合間に、キャストさんとスタッフさんの出身地を聞いてくる」という夏休みの課題を出されていて、それを聞き回っていたことをよく覚えています(笑)。
――その後、高校卒業を機に上京されますが、そのときの心境は?
高校2年で進路を決めるタイミングのときに、「大学に行かずに、仕事1本にした方がいいんじゃないか?」という決断をして、高校卒業を機に上京しました。もう逃げ道がないというか、逃げ道をなくすために大学に行かないという決断でもあるので、「この職業で、がむしゃらに頑張らないといけないな」と思っていましたね。
2023.12.08(金)
文=くれい響
撮影=三宅史郎