キャリアの途中でイメージを刷新する芸能人は数多い。いま「キャラ変」によって世界的な衝撃をもたらしているスターこそ、ティモシー・シャラメだ。ハリウッドで久しぶりの「繊細な美少年」として人気を博した俳優だが、ここ最近、突如としてオラオラ系に転身し、セクシーな恋人といちゃつきながら下ネタのキツいラップまで発表している。 晴れ舞台だったはずのアカデミー賞の直前には、バレエとオペラにまつわる発言が波紋を呼び、キャリア最大の炎上まで起こしてしまった。
少なくないファンや業界人を動揺させているティモシーは、新世代のハリウッドを代表するスターだ。「天才」として脚光を浴びて以降、10年たらずで3度ものアカデミー賞主演男優賞ノミネートを達成している。今年ノミネートされた『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(日本公開中)での演技はキャリア最高とも名高い。そして、この作品こそ「キャラ変」の理由でもある。
子役出身だったが、くすぶり続けた「ブレイク前」
美貌も演技力も備えるティモシーだが、なんでも順風満帆だったわけではない。生まれは1995年。フランス人の父とダンサー一族の母のもと、ニューヨークの芸術家向け公営住宅で経済的に苦労しながら子役として育った。
ラップやスポーツにも夢中だったが、14歳のころには俳優の道を志し舞台演劇系の高校へ。その後、本人いわく「なんらかの偶然で」名門コロンビア大学に合格したが、授業についていけず一年で中退している。
野心いっぱいでハリウッドに飛び込んだティモシーだったが、子役の年齢から脱すると、なかなか役をもらえなかった。大きな理由は細身体型。アメリカの若手男優の花形といえば、たくましいアクション映画の主演だ。いくら筋トレをしても痩せ型のままだったティモシーには、大作オーディションの報せすら来なくなっていった。
ブレイクは予期せぬところでやってきた。イタリアを舞台にしたアート映画『君の名前で僕を呼んで』(2017年)で同性に恋をするティーンエイジャーを演じると「天才」として絶賛を集め、またたくまにアカデミー賞にノミネートされたのだ。
「繊細な美少年」としてキャリアを歩み始めたが…
こうして「繊細な美少年」としてのキャリアが花開いた。年若に見える痩せ型のルックスがアート映画では歓迎されたのだ。女性監督による文芸映画でも好評を博した勢いで、レースや真珠が似合うファッションアイコンとしての地位も獲得し、英ヴォーグ誌初の男性ソロ表紙までつとめた。
とは言っても、ティモシー自身は血気盛んな野心家のまま。ジェンダーレスな装いにしても「男優にはご法度」扱いする業界の慣習への反抗心が関係していたという。
