京都アニメーション制作による「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の音楽を手掛けたことで、一躍注目を浴びたアメリカ出身の作曲家・Evan Call。

 2022年放送の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での大胆な音楽も話題になった彼がこれまでのキャリアを振り返ると同時に、最新作TVアニメ「葬送のフリーレン」への思いを語ります。


●日本のアニメを見て、ヘヴィメタルを好んでいた少年時代

――音楽を始めたきっかけを教えてください。

 13、4歳の頃、後頭神経痛という病気に罹ってしまい、半年ぐらい学校に行けなくなってしまったんです。

 その時に、納屋にあったアコースティック・ギターを見つけ、実家の近くに住んでいた先生からブルーグラスを教わり始めたのが、音楽を始めたきっかけです。そう考えると、オーケストラ系も作る作曲家としてはかなり遅い方だと思います。

――日本のアニメとの出会いは?

 子どもの頃は、「ポケットモンスター」などを見ていたのですが、僕の中では日本産のアニメだという認識はまったくありませんでした。日本のアニメを意識し始めたのは「SAMURAI 7」(04年)を見てから。

 それまで見ていた子ども向けのカートゥーン(アニメ)とは違って、とてもシリアスな物語で、カッコよく、「こんな表現をするアニメもあるんだ!」ということを知りました。そこから『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』といったジブリ作品も観るようになりました。

――ちなみに、当時はどのような曲を演奏したり、カバーしていたのでしょうか?

 日本のアニメDVDを一緒に見ていた好きな友だちとは、シンフォニックメタルやブラックメタルなど、ヘヴィメタルを好んで聴いて、演奏していました。なので、当時の僕からすれば、映画音楽、さらには日本のアニメの劇伴を作曲するなんてことは考えられませんでした。

2023.09.29(金)
文=くれい響