●初ドラマ、初演技が今泉力哉監督作

――その頃の倉さんは、芸能界や役者への憧れみたいなものはあったんですが?

 普通にドラマや映画を見ている程度で、確かに「カッコいいな」と思う人はいました。事務所の人に「役者、興味ない?」と言われたときも、「役者をやれたら、カッコいいと思いますけどね」ぐらいな気持ちだったと思います。

 それで18歳ぐらいで事務所に入って、大阪から通いながら、いろんなオーディションを受けました。でも、なかなか受からず、「1年経って何も決まらなかったら、やめるんだろうな」とも思っていました。

――そして、19年放送のドラマ「トレース~科捜研の男~」で俳優デビューされます。

 TV放送されたのは「トレース」の方が先だったんですが、撮影時期でいうとメ~テレさんの深夜ドラマ「his~恋するつもりなんてなかった~」の方が先なんです。

 オーディション受け始めてから半年ぐらいのときに、ご縁があって、「his」の日比野渚という大きな役をいただけることになり、半年ぐらい関東で過ごすことになり、高校を休学することになりました。

――初ドラマ、初演技で、今泉力哉監督が演出されるBLドラマの準主役というのは?

 それまで演技レッスンは受けていたんですが、撮影現場は初めてなので、右も左も分からない状態でしたね。でも、今泉さんは役者に寄り添いながら演出される方なので、何もテクニックがない、やり方もわからない僕を上手く生かして、導いてくれて有難かったです。

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