昭和末期の銀座を舞台に、ふたりのジャズピアニストの運命が交錯する『白鍵と黒鍵の間に』で初共演を果たした池松壮亮と森田剛。十代前半から活動を始め、日本のエンタメ界を牽引しているふたりが、作品への思いについて語ってくれました。


面白い役で向き合えたことが楽しかった

――役者として、お互いどのような印象を持たれていましたか?

池松 森田さんについては本当に素晴らしい俳優さんだと感じていました。気の凄みと言いますか、役への取り組み方が並外れていて、なんというか、演じるという上で真実を探究することを一切躊躇しない方だなと感じていました。ぜひいつか共演してみたいと思っていましたが、この作品で、この面白い役を通して向き合えたことがとても楽しく、幸せなひと時でした。

森田 僕も池松さんの作品をいろいろ観てますね。凄く身を削っている感じがするし、何をしでかすか分からないハラハラする感じが印象的で、とても好きな俳優さんでした。だから、今回ご一緒できると聞いて、嬉しかったですし、実際楽しかったです。

――池松さんは『WE ARE LITTLE ZOMBIES』、森田さんは『DEATH DAYS』と、同じ長久允監督作に出演されているという共通点もあります。

池松 僕は長久さんの作品が大好きで、森田さんが主演された『DEATH DAYS』もとても楽しみに観に行きました。そのときに同時上映されていたメイキング(『生まれゆく日々』)でも、おふたりの真摯な物作りが観れて、森田さんと長久さんの出会いに勝手に喜んでいました(笑)。

森田 そうです。長久さん、とても変わった方で、好きなんです(笑)。

2023.10.05(木)
文=くれい 響
写真=佐藤 亘
スタイリスト=吉本知嗣(森田)
ヘアメイク=内藤歩(池松)、TAKAI(森田)