共演者を悔しがらせる
“純粋に悪”のキャラ

――そして、ドラマ「賭ケグルイ」で演じられたギャンブル学園に通う、暴力的で残忍な生徒・木渡。先ほどの肉まんくん以上に、原作のヴィジュアルとは違いながら、今回も原作者のお墨付きをもらうほどのハマリ役になりました。

 役を演じるうえで、毎回ハマらなきゃいけないとは思っていますが、いつも自分とかけ離れた役ばかりで、「どうしたらいいんだろう?」という戦いの連続ですからね(笑)。木渡に関しては、どういうアプローチで、どういう怖さで仕上げたら、「賭ケグルイ」という作品に生かせるかと考えましたね。“生まれたときから、純粋に悪”という設定を勝手に作って、『ダークナイト』のヒース・レジャーや『レオン』のゲイリー・オールドマンの手振りや顔つきを意識しました。現場では盛り上げ隊長として、ほかの俳優を悔しがらせ、憧れさせてナンボだと思ってやっているだけです(笑)。

――ドラマ「Season1」における木渡の主役回では、これまでほかのキャラも登場していたオープニング映像をジャックしてしまいました。

 自分の回が神回になれば、役者として成功だと思っていましたが、あのオープニングは休憩中、ごはん食べていたときに監督から「木渡だけの別ヴァージョンも撮ってみよかー?」と言われて、何も決めずに自由にやらせてもらったんです。それで、監督に「俺の主役回は、これだけでいいんじゃないですか?」と冗談で言ったら、ホントにやってくれて! これは、今までの役者人生で、いちばん嬉しかったことかもしれません。

2019.05.24(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘