家族とともに立ち向かう
30代の壁

――そこまでの人気キャラだけに、今回の『映画版』にも続投することに対するプレッシャーはありましたか?

 自分のなかでは「Season1」で、完全燃焼してしまった部分もあったので、そこにプラス要素を加えるのはプレッシャーでした。だからこそ、登場シーンは今までとはまったく違ったアプローチにしましたし、そこからの復活劇が見せ場かもしれません。また、クライマックスの戦闘シーンでの(早乙女)芽亜里との掛け合いで、優しさはなくても戦友になり、いつの間にか恋愛感情も芽生えてるんじゃないの? と思わせるアドリブ芝居をやらせてもらいました。あのシーンは好きですね。

――今年はドラマ「トレース~科捜研の男~」で演じた刑事役も印象的でしたが、29歳を迎えるにあたり、将来の目標・今後の展望などを教えてください。

 30代が俳優の中でいちばん大切なとき、本番だと思っています。新人でもベテランでもなく、ふるいにかけられていきますから。その戦い次第で、自分の将来が決まるといっても過言ではないので、より腕を磨いていかなきゃいけない、と毎晩寝る前に思っています(笑)。でも、幸運なのは今度、子どもが生まれるんですよ! 自分の力だけじゃ、その戦いに負けちゃうかもしれないけれど、家族がいるから心の持ち様が違う。今まではビビッて、できなかったこともできると思うし、それによって、30代を乗り越えられると思います。それで、矢本悠馬を観て、役者を始める人が出てきてくれたら最高ですね。

2019.05.24(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘