一人の男としても憧れる
阿部サダヲの存在

――もし、目指している先輩などがいれば、教えてください。

 若いときはカッコつけて、「いない」とか「持たないようにしてる」と言っていましたが、大人計画にいた頃から、阿部サダヲさんはずっと憧れの人です。自分の芝居を切り開いてくれた人ですし、主演も助演も脇も、二枚目も三枚目も全部やられていて、カリスマ性もある。今でも仲良くさせてもらっていますし、研究生の頃、お酒を飲んだときに「俺みたいになりたければ、俺を見とけ。俺から盗め」と言ってくれて、芸は盗むものだと教えてくださったんです。役者としてはもちろん、一人の男としても憧れているんです。

矢本悠馬(やもと・ゆうま)

1990年8月31日生まれ。京都府出身。03年、『ぼくんち』で俳優デビュー。11年、大人計画に研究生として参加し、その後も『ちはやふる 上の句・下の句・結び』「おんな城主 直虎」「今日から俺は!!」など、舞台やドラマ・映画などで活躍。今後公開予定作に、『アイネクライネナハトムジーク』(今秋公開)、舞台「アジアの女」(Bunkamura シアターコクーン/9月公演)がある。

『映画 賭ケグルイ』

「ギャンブルの強さ」で生徒の階級が決まる私立百花王学園内で、非ギャンブルを掲げる集団「ヴィレッジ」が台頭。ヴィレッジ解体とギャンブル狂の転校生・夢子(浜辺美波)潰しを企む生徒会は、全校生徒を強制参加させるギャンブルイベント「生徒代表指名選挙」の開催。「ヴィレッジ」の一員になっていた木渡(矢本悠馬)も参加することに。
全国公開中!
http://kakegurui.jp/
(C)2019 河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX・『映画 賭ケグルイ』製作委員会

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2019.05.24(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘