“ゾンビのように感情を失った少年少女の冒険”を描いた長編映画デビュー作『WE ARE LITTLE ZOMBIES(ウィーアーリトルゾンビーズ)』で、サンダンス映画祭審査員特別賞オリジナリティ賞を受賞した長久允監督。

 いま、世界が注目するファミコン世代の映像作家の頭の中は?

ゲームのサブキャラを意識した
独特なヘアスタイル

――幼い頃の夢を教えてください。

 小学生の頃から動物が好きで、爬虫類や両生類を飼っていて、動物博士になりたかったですね。あとは、ファミコンが好きだったので、ゲームクリエイターにもなりたかった。

 「ロックマン」のボスキャラ募集にも応募しました。ゲームのサブキャラみたいな存在が好きなこともあって、6~7年前から、それっぽい髪型にしています(笑)。

――その後、青山学院大学のフランス文学科に進学された理由は?

 中学の頃から音楽好きになり、シャンソンにハマっていたので、自分で歌いたい想いもあって、フランス文学科を選びました。大学では、シュルレアリスムやエログロ文学の解析などをしていました。

 その一方で、サックスプレイヤーになることに挫折し、「映画を学びたい!」と、Wスクールでバンタンデザイン研究所に通い始めました。

――そこで短編を製作されていたそうですが、大学卒業後は、映画業界ではなく広告代理店に就職したんですね。

 スーツ着て、7:3分けで就活をしていましたが、映像の業界はすべて落ちてしまって、今の会社だけ受かったんです。その後、坊主頭で営業職をやっていましたが、試験を受けて、念願のCMプランナーになることができました。

2019.06.14(金)
文=くれい響
写真=松本輝一