英語は苦手だけど
海外も視野に!

――今後も、会社員と映画監督の“二足のわらじ”を履かれるとのことですが、目標や展望などを教えてください。

 正直、映画監督として評価されることには困惑しているのですが(笑)、会社とは今後も上手く付き合っていきたいです。

 僕の映画って、シーンが多い分、予算がかかってしまうこともあり、日本で撮っているだけでは、自分が正しいと思うメッセージやトーンを守れないんです。ボリス・ヴィアンのように何にもとらわれずに、一貫した表現をし続けたい。だから、監督としては、海外に市場を広げながらも、メジャーになりすぎない表現を突き詰めていきたいと思います。

 アメリカで撮るという企画も、すでにいくつかいただいていますし、5年後には実現させたいです。そのためには、苦手な英語をなんとかしたいです(笑)。

長久 允(ながひさ・まこと)

1984年8月2日生まれ。東京都出身。CMプランナーとしての受賞歴に、TCC新人賞、OCC最高新人賞、カンヌ国際映画祭ヤングライオンFILM部門シルバーなど。17年、『そうして私たちはプールに金魚を、』が、サンダンス国際映画祭にて日本人初グランプリを受賞。長編デビュー作『WE ARE LITTLE ZOMBIES(ウィーアーリトルゾンビーズ)』では、日本映画として初めてサンダンス映画祭、第69回ベルリン国際映画祭、ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭の海外映画祭にて3冠を獲得した。

『WE ARE LITTLE ZOMBIES
(ウィーアーリトルゾンビーズ)』

火葬場で出会ったヒカリ(二宮慶多)、イシ(水野哲志)、タケムラ(奥村門土)、イクコ(中島セナ)は、両親を亡くしても泣けなかった。ゾンビのように感情を失った彼らは心を取り戻すため、誰もいないお互いの家を巡る。その後、バンド「LITTLE ZOMBIES」を結成した4人は社会現象を巻き起こす。
2019年6月14日(金)より全国公開
配給:日活
https://littlezombies.jp/
(C)2019“WE ARE LITTLE ZOMBIES”FILM PARTNERS

くれい響 (くれい ひびき)

1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2019.06.14(金)
文=くれい響
写真=松本輝一