経験を積んで、菅田将暉を作り上げる

――ちなみに、今どんなことをするのが楽しいと思われますか?

 昨日は洋服買いに行きましたし、今日もこれから友達とごはんに行きますし、交友関係、ひとつひとつが楽しいです。このあいだも(「ブラックボード~時代と戦った教師たち~」で共演した)太賀(たいが)と「洋服作りたい」という話を延々としていました。小栗さんにはこの春の舞台「ロミオとジュリエット」にも来ていただいたり、今でもスゴく刺激を受けています。ちなみに「ロミジュリ」で下ネタを言って、周囲をドン引きさせる役だったこともあり、どこか殻を破れた気がしたんですよ。性も人間らしいものという考えに変わったし、そういう意味でも、今後しっかりしたラブストーリーに取り組んでみたいです。

――それでは、最後に将来はどんな俳優を目指したいですか?

 自分は自分だし、その人を超えられない気がするので、誰みたいな俳優になりたい、というのは言いたくない。最近分かったことなんですけど、菅田将暉って、プロフィール一枚分に過ぎないんです。だから、自分の個性や菅田将暉ってなんだろうと思ったとき、経験を積んで菅田将暉を作り上げていくしかない。将来のことはよく分からないですけど、自分のやってきた作品で、菅田将暉になれればと。あと、こないだ「サマーレスキュー」の現場で、笹野高史さんに「あの時任(三郎)さんとの芝居、よく受けたなぁ」と言われてうれしかったんですよ。時任さんが「木野!」と叫んで、それに応えるシーンだったんですが、時任さんの感情に応えるような芝居ができたんです。これからも、同業の大先輩にそう言ってもらえたら、もうサイコーですね!

菅田将暉(すだ・まさき)
1993年2月21日生まれ。大阪府出身。A型。2008年にジュノンスーパーボーイコンテストのファイナリストに選出。09年「仮面ライダーW」に史上最年少ライダーとして抜擢される。11年『高校デビュー』で本格的に映画デビューし、『王様とボク』が初主演となる。現在、ドラマ「サマーレスキュー~天空の診療所~」に出演中。来夏には、人間の暴力と性の衝動を描いた田中慎弥の芥川賞受賞作の映画化『共喰い』(青山真治監督)で、主人公・篠垣遠馬を演じることが決まっている。

『王様とボク』
18歳の誕生日の夜に恋人キエ(二階堂ふみ)と結ばれたミキヒコ(松坂桃李)は、幼いころ事故に遭って以来眠った状態が続いている同級生モリオのことを思い出す。その後、モリオ(菅田将暉)は12年ぶりに目を覚ますが、心は事故当時の6歳のままだった……。
www.o-boku.com
(C)2012「王様とボク」製作委員会
9月22日(土)より、ユナイテッド・シネマ、シネマート他、全国順次公開!

Column

厳選「いい男」大図鑑

 映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。

2012.09.21(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Shigeki Yamamoto