前回の東出昌大さんに引き続き、映画『桐島、部活やめるってよ』から主人公・前田を演じる神木隆之介(かみき・りゅうのすけ)さんが登場! 来年20歳を迎える、若き演技派俳優が映画オタクを演じた最新作の役作りのほか、これまでのキャリアについて振り返った。
仕事が楽しくてしょうがなかった子役時代
――わずか2歳でデビューされた神木さんですが、仕事を意識し始めたのは、どの作品だったのか覚えていますか?
そうですね。12歳のときの映画『妖怪大戦争』だと思います。このとき、僭越ながら初めて中心に立たせてもらい、みんなの代表として宣伝活動をやらせていただきました。そういうところから、お仕事だったり、作品に対する責任感みたいなものが出てきたような気がします。
――その後、子役から俳優として、自身の中で転換期となった作品は?
改めて芝居というものを考え始めた、という意味ではドラマ「ブラッディ・マンデイSeason2」でしたね。コンピューターのハッカーという、かなり特殊な役でしたし、わずかな出演シーンのなかで、自分の見せ方やインパクトみたいなものを出さないといけなかったんです。それで、ひとつひとつの動きやセリフの言い回しに気をつけたのですが、この作品を機に役柄を掘り下げていく作業に目覚めたかもしれません。
――ちなみに長いキャリアのなか、壁にぶつかり、この仕事を辞めようと思われたことはありましたか?
とにかく、どのお仕事も楽しくてしょうがなかったんです。だから、辞めたいと思うことは一切なかったですね。僕としては、ただただ時が過ぎていった印象が強いので、自分のキャリアが長いと思ったことはありません。
2012.08.03(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Naoya Sanuki