同年代の俳優が切磋琢磨していた現場

――ちなみに、神木さんと前田との共通点、反対に異なる点はありましたか?

 共通するところは、こだわりを持っているところ。作品のなかで、彼は自分の作りたい映画を顧問の先生に何と言われようが撮る。そんな揺るぎない目標や覚悟、決意のあるところが共感できますね。違うところは、前田より自己主張があるというか、彼ほどおとなしくないですね(笑)。じつは僕の性格、他人を巻き込むというか、落合(モトキ)くんが演じた竜汰に近いところもあるんですよ。今回、前田を演じたので、今度は逆に竜汰みたいなキャラクターも演じてみたいと思いましたね。

――新人の東出昌大さんも含む、若手俳優たちが集まった現場はどんな雰囲気だったんでしょうか?

 僕よりも年齢が上の方も下の方もいましたけど、同じ生徒として、みんな仲間意識を持っていました。撮影の1カ月前からリハーサルをやっていくうちに、みんな切磋琢磨して現場にいましたね。菊池役の東出くんとは2人のシーンだったり、その撮影後だったり、お互い興奮冷めやらぬなかで、いろいろ話して楽しかったですね。東出くんだけじゃなく、みんなお芝居をしていると、全力でぶつかってきてくれたんです。だからこそ、自分も2倍、3倍返ししていくつもりで、全力を出して演じました。

<次のページ> 放心状態になったほど、衝撃的な作品

2012.08.03(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Naoya Sanuki