目指すは神木隆之介と思われない役者
――近年、本作のように神木さんのイメージに近い作品と、ドラマ「SPEC」「11人もいる!」のようにイメージを裏切る作品に交互に出演されてますが、それらの役を演じるうえでの心構えや気持ちみたいなものは?
真反対のキャラクターでもそうでなくても、やはり同じ人間ではないので、それぞれの役としっかり向き合うことですかね。じつは『桐島~』の撮影直前まで「11人もいる!」を撮っていたんです。台本をしっかり読んだり、些細なクセだったり、こういう考え方をするキャラクターなのかなと思ったり、監督と話し合ったりすることを心がけています。
――それでは、神木さんが将来的に目指すところはどこなのでしょうか?
役者としては神木に見えない役者になりたい。極端にいえば「あの役、神木隆之介だったの?」と言われたいですね。周りの方から言われるのはもちろん、ベストは自分で自分に見えないこと。人間としては、来年20歳になりますので、19歳のうちに大人になるための土台を作るというか、ちゃんとした大人になっていきたいですね。
――ちなみに、お仕事がお休みのときは何をされているんでしょうか?
音楽聴きながら、ふらっと写真を撮りに行ったりしますね。最近も海に行ったのですが、海を見ていると、何でも許せるような寛大な気持ちになるんです。ホント素晴らしい力だと思いますね。
神木 隆之介 (かみき・りゅうのすけ)
1993年5月19日生まれ。埼玉県出身。95年にデビューし、99年にドラマデビュー。2005年、『妖怪大戦争』では映画初主演を果たし、日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。俳優として活躍する一方、アニメや外国映画の声の出演など、幅広く活躍する。
『桐島、部活やめるってよ』
とある県立高校映画部に所属する前田(神木隆之介)は、クラスの中では地味で目立たないものの、映画に対する情熱が人一倍強い。一方、実力がありながら野球部幽霊部員の菊池(東出昌大)など、それぞれの日常を過ごすクラスの人気者たち。ある日、バレー部のキャプテン・桐島の退部を機に、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始める。親友だった菊池は、桐島が部活を辞めたことを知らされなかったことに苛立ちを感じるが、そんな自分に、動揺と焦りにも似た感情を抱えていく……。
www.kirishima-movie.com
(c)2012「桐島」映画部
(c)朝井リョウ/集英社
8月11日(土)、新宿バルト9ほか、全国ロードショー
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2012.08.03(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Naoya Sanuki