20年前に刊行された、やまだないとの名作青春コミックを映画化した『王様とボク』。劇中で6歳の心を持つ18歳の少年・モリオを演じている菅田将暉(すだまさき)が、初出演にして主演も果たしたドラマ「仮面ライダーW」についてなど、デビュー当時の話を振り返ってくれた。
本当は教師になりたかった
――まず2007年に、あるオーディションで中学生ながらファイナリストに残った菅田さんですが、俳優に興味があったのは、いつ頃からですか?
じつは、この業界に興味がなかったんですよ。というより、芸能人になれるなんて思っていませんでしたから。梅田のヘップ(ファッションビルの「HEP FIVE」)前に行くと、必ず声をかけてくるスカウトの人がいて、「このあいだも、興味ないって言ったじゃないですか」と言うと、「そうだっけ?」って言われたりして……(笑)。だから、そういうものを信用していなかったんです。オーディションを受けることになったのは、その後にお話をいただいた事務所からの勧めのようなものです。
――では、将来的には、ほかの目標があったのですか?
「学校の教師になりたい」と思っていました。自分が数学好きだったということ、小学校時代の先生が好きで「こんな先生になりたい」と思っていたことと、その後に出会った先生に対しては、子供なりに、先生の接し方であったり、理不尽さに「そんな先生でいいんですか?」という思いがあったのも、学校の教師になりたいという気持ちが大きかったからです。弟が2人いるんですが、2人の話を聞いていても「やっぱり教師と生徒の関係性がおかしい」と思っていました。
――ということで、学生時代は勉強漬けだったとか?
いえいえ(笑)。ドラマ好きでしたね。僕らの世代は、学園ドラマがたくさん放送されていて、どこか憧れを持っていたとは思うんです。「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」「プロポーズ大作戦」「野ブタ。をプロデュース」「ROOKIES」……。当時は刺激を受けて、僕なりに髪型マネしていましたよ(笑)。
2012.09.07(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Shigeki Yamamoto