英国本場の味が9種類。バターの香りがたまらない
休日はサーファーや家族連れでにぎわう人気別荘地の神奈川県葉山町。神奈川県立美術館葉山に行く前に「すごく美味しい焼き菓子屋さんがある」という噂を耳にして、CREA WEBの編集部員が立ち寄りました。
お店の名前は「Nana’s」(ナナズ)。今年2月、英国はウェールズ出身のおばあちゃまがオープンした、知る人ぞ知る小さな焼き菓子店です。店主のお名前が「ナナ」かと思いきや、イギリス英語圏ではおばあさんのことを、親しみを込めて「Nana(ナナ)」と呼ぶのだそう。日本でいう「ばあば」のような意味合い。オープンは週末の土日のみで、おばあちゃまこと石川ジュリーさんと、息子の石川朋(あきら)さん2人で経営しています。まるで隠れ家のような小さなお店で、ショーケースにはウェールズをはじめイギリスの家庭で愛されてきたお菓子がずらりと並んでいます。
「昔から我が家で親しんできたお菓子を、町の皆さんに“おすそ分け”するような感覚で造っています。よく見ると形も大きさも不揃い。パティスリーのようなキラキラしたお店の商品が不揃いだと気になりますが、うちでは『ちょっとサイズが違うから、おうちでジャンケンして決めてね』と言ったりしています(笑)」と朋さん。
一番のご自慢は、ウェールズ地方を代表するお菓子「ウェルシュケーキ」。一口かじると、パンケーキに似た生地のやさしい甘さが口の中に広がります。イギリスの紅茶と一緒にいただきたくなるような一品。スコーンのようなサクッとした食感は、鉄板で焼いて仕上げているからだそう。「他のお菓子はオーブンで焼き上げますが、これだけは鉄板で焼いています。昔のウェールズの家庭では、暖炉の上で焼いていたようですね。パンケーキとスコーンの間のようなさくっとした食感の生地に、レーズンが練りこまれているのが伝統的なウェルシュケーキ。うちではレーズンのほかに、クランベリーのバージョンも作っています」。
