第22回小説すばる新人賞受賞の小説を映画化した『桐島、部活やめるってよ』。高校が舞台の群像劇の中で、キーパーソンである菊池宏樹役を演じたのが、本作が俳優デビュー作となる東出昌大(ひがしで・まさひろ)。パリコレ出演経験もあるモデル出身の彼が、役者としての意気込みを語ってくれた。

剣道少年からモデルの世界へ

――高校2年のとき、「メンズノンノ」専属モデルオーディションでグランプリを獲得されましたが、オーディションを受けられた理由は?

 じつは最初に、兄が応募していたんです。それで余った履歴書やインスタントカメラがあったので、僕もなんとなく応募したんです。その頃は、芸能界やモデルの世界に対する憧れみたいなものはなかったんです。モデルから俳優に転身したときもそうですが、そんな簡単になれるもんじゃないと思っていたので、今の状況が信じられないです。

――趣味である剣道は三段だそうですが、高校のときも剣道部だったんですか?

 父が剣道の先生で、小学校1年のときから剣道漬けでしたね。今でも剣道は続けています。高2の終わり頃からモデルを始めましたが、編集部の方に了解していただいて、学校を優先させてもらっていました。そういうこともあって、生活のリズムが大きく変わることもなくて……。今でも仲がいいのは、地元や高校の友達が多いです。

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2012.07.20(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Takashi Shimizu