香港をはじめ、国際的な活躍を続ける“和製ドラゴン”倉田保昭の映画出演100本目となるサスペンス・アクション『レッド・ティアーズ』。本作で、吸血鬼一族の血を引く美女に恋する刑事・野島を演じたのが石垣佑磨(いしがき・ゆうま)。鍛えられた肉体を生かし、さまざまな役柄を演じてきた彼が新作のことはもちろん、これまでに出会った“運命”的作品について熱く語った。

社長も思わず納得した、蹴りの早さ

――事務所主催オーディションでの準グランプリ受賞を機に、俳優の道を進まれた石垣さんですが、いつから俳優を目指されていたのですか?

 そのオーディションにも自分で応募していないぐらい、俳優にも、この業界にも興味はなかったです。高校生のとき、格闘家を目指そうと思っていたんですが、それを気にしたのか、母親が僕の知らぬ間に履歴書を送っていて、最終選考まで残ってしまったんです。オーディション当日には「僕の蹴りはブルース・リーより早い」と自慢の蹴りを披露したんですが、審査員の中でウンウンと頷いている方がいたんですよ。後になって、その方が今の社長だということを知りました(笑)。

――蹴りというのは、それ以前から習われていたテコンドーの蹴りですよね?

 そうですね。中学3年生の頃、他人があまりやらないような珍しい格闘技をやりたかったんですよ。それでK-1の影響もあって、打撃のある格闘技ということで、テコンドーの道場に通うようになりました。そこで、ミドル級世界第2位のチャンピオンの方に世話していただいて、今でもやっている身体作りなどを学んでいましたね。

<次のページ> 俳優人生を決めた一本の予告編

2012.04.06(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Miki Fukano