伝説のアクション・スターと共演した最新作

――さて、最新出演作となる映画『レッド・ティアーズ』ですが、サスペンスかと思えばラブストーリーになり、さらにアクションも満載という盛り沢山な内容ですが、最初に脚本を読んだ感想を教えてください。

 やっぱり「なんだこれは!?」ですかね(笑)。猟奇殺人を追っている刑事ドラマだったのに、いつの間にか闇の警察組織とヴァンパイアの戦いになっている。観ているお客さんにとっては、あまりに唐突なので、なかなか展開についていくことができないかもしれないと思いました。だから、僕が演じる野島刑事は、その橋渡しをする役柄だと思ったんです。ストーリーテラー的な役割をしっかり果たすよう、決して目立つようなことはしないと心がけましたね。

――ジェット・リーさんとも共演されている“和製ドラゴン”倉田保昭さんとの共演はいかがでしたか?

 貴重な香港やアジアの映画製作事情をいろいろ教えていただきました。そういうところで、長年勝負してこられて、現在も現役アクション・スターというのは、カッコいいですよね。でも、撮影初日に撮ったのが、倉田さんに殴られて突き飛ばされるシーンだったんですよ。スーツがビリビリになるのも、倉田さんにリアルに破かれているんですが、熱さを感じたし、なんかうれしかったですね。

――それでは本作『レッド・ティアーズ』への出演を通じて学んだことを教えてください。

 この破天荒な世界観の中で、至って普通の人間を演じることは貴重で、楽しかったですね。それと、日本を代表するアクション・スターである倉田さんと一緒に仕事させていただいたことも大きかったと思います。僕としては香港映画に出たいというよりも、香港映画のようなパワフルなアクション映画を日本でも作ってほしいというか、作らなければいけないと思いますね。そういうことに憧れている俳優さんは、いっぱいいますから!

<次のページ> 時代劇に対する熱い想い

2012.04.06(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Miki Fukano