逃げ場所を作らない、役者としての覚悟

――今回、俳優として初のオーディションを受けられた『桐島、部活やめるってよ』に出演。これを機にモデル業を辞め、役者に転身したということですが……。

『桐島』のオーディションは5回あったんですが、オーディションを重ねるにつれて、どうしてもこの仕事をやっていきたい、と思うようになりました。もしかしたら僕と同じモデル出身の役者さんの中には「モデルと役者は通じるものがある」という方もいらっしゃるかもしれませんが、僕は、現場に入って、役者のお仕事はモデルと全然違うと思ったんです。新しいことや自分ができないことをやるのが好きなんですが、芝居って何だろう、映画ってどうやって撮るんだろう、とずっと考えているうちに、訳分かんなくなりながら、すべて終わってみるとそれが楽しくて、もっともっと演じてみたいと思いました。

――ひょっとして、モデルを続けながら役者も……みたいな気持ちはあったんでしょうか?

 この現場に入る前に、モデル気分を引きずるのは良くないと思いました。役者が向かないと思ったら、またモデルの世界に戻ろうという、逃げ場所みたいなものを作りたくない。だから、これまでお世話になっていたモデル事務所の方に今後は役者としてやっていきます、とハッキリ言いました。そして、映画の撮影後に、運良く今の事務所さんからお話をいただいたので、移籍させてもらいました。

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2012.07.20(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Takashi Shimizu