タキシード仮面を演じ、舞台ならではのライヴ感に魅了される
――その後、特撮ヒーローを演じた俳優による730日の期間限定ユニット、HERO730(ななさんまる)のメンバーとして舞台や歌手活動もされますよね。
ライダーやウルトラマン、戦隊ヒーロー出身の俳優のなかに、ン・ダグバ・ゼバをやっていた僕がいる。だからこそ、自分の見せ方みたいなものを勉強するモチベーションにもなりましたし、「なんでお前がいるねん!」といった面白さを利用してみようとか、逆にプラスに変えていってみたい、という思いもありましたね。
――そして、01~02年にミュージカル「美少女戦士セーラームーン」では、6代目となるタキシード仮面を演じられました。
最初は「ファン感謝イベント」でのお披露目だったのですが、そのときにお客様の熱気と生のライヴならではのコミュニケーションというものに触れて、その面白さに一気に惹かれました。このことを機に、舞台の仕事をする価値を見出していった気がします。
――実際にミュージカルに出演されたことで、ミュージカルに対する意識みたいなものは変わりましたか。
じつは「エリザベート」のルドルフ役が決まるまで、幼い頃に「アニー」ぐらいしかミュージカルを観たことがなかったんです。そのときも、「スゴいなぁ」と思ったぐらいで、ルドルフに決まってから「レ・ミゼラブル」を観たくらいなんです。だから、それまではミュージカルに対して今ほど意識を持っていなかったというのが本音です。その後、現場でたくさんの人と出会い、いろいろ経験させていただくことで、自分の価値観も変わっていきましたし、舞台=ライヴの魅力って本当に無限大だということを実感しました。どんどん深めていくことも、広げていくこともできることが分かり、その虜になっていった感じです。
2015.01.09(金)
文=くれい響
撮影=中井菜央